CDの製作費用を考えるとき、ジャケットやプレスに意外とお金がかかってしまうことがよくあります。
写真の撮影、ジャケットのデザイン、そしてプレス・・・
場合によっては写真の撮影とジャケットのデザインだけで音源の製作費用をうわまってしまう場合もあるのですが、かといって見栄えの悪いものを作ってしまうと肝心の音楽に対する印象にもマイナスの効果になってしまうことも否めません。
そしてプレスが終わったあとは山のような段ボールが自宅にやってきます(笑)
CDという形に残るものを作るということはとても大事で意義のあることですが、一つ割り切ってデータの販売に移行することで、音源製作のコストをかなり圧縮できるのではないでしょうか?
最近は個人でもiTunesなどの販売サイトに自分の音源を登録することができます。
http://eat-the.com/bass/download-sales/
また、音源のデータそのものをUSBメモリに入れて販売することも可能です。
そこで今日はデータの販売のメリット・デメリットについて考えてみたいと思います。
まずメリット
1. ジャケットデザイン、プレスのコストがかからないので制作費を低く抑えることができる。
2. 製作の時間と手間が短縮できる
3. USB販売の場合、内容をいつでも変更できる。
4. ハイレゾでの音源販売が可能になる。
5. USB販売でも必要なブス数をコピーすれば良いので在庫を持つ必要がない。
6. コンサート終了と同時にそのコンサートの音源を販売するなどの即時性。
7. POSコードの処理などの事務手続きが不要。
などの点が挙げられます。
デメリット
1. USB販売の場合、包装をどうするか?
2. 配信による販売の場合価格の設定が低くなるケースがあるため、CDに比べると利益が上がりにくい。
3. USBメモリは自分で手配、コピーが必要。
4. ファイル再生に慣れていないお客様には手順がわかりにくい。
などの点が挙げられます。
色々と検討すべき点はあると思いますが、ハイレゾの音源を手軽に販売できる点においては大きなメリットがあるように思えます。
録音現場では数年前から96KHz24bitでの製作がスタンダードになっていますし、弊社でも近年では192KHz 24bitや384KHz 32bitで製作を行いCDのマスターとしています。
ただし、これらのマスターもCDになってしまうと44.1KHz 16bitという規格までおちてしまうため、お客様のもとに本当のマスターの音の良い状態を届けることができていないのが現状で、せっかく作った高音質のマスターも弊社のバックアップ・ディスクの中に眠ったままというケースがほとんどです。
usbメモリによる販売の場合CD1枚あたりの曲数を販売するには
96KHz 24bit → 3GB
192KHz 24bit → 6GB
384KHz 32bit → 18GB
程度の容量が必要になります。
メモリの値段もまちまちですが、コピーして販売しても利益の出やすい価格設定にすることができそうです。
USBメモリも比較的安価に手に入るものも多くありますが、製品によっては読み込み、書き出しの速度が非常に遅いものもあったりしますので、使用される際には事前に検証を行ったほうが良さそうです。
また、データ販売の場合、著作権のことは土のように処理すれば良いのかという問題が出てきますが、このあたりは次回に書いてみたいと思います。
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