音、沈黙と測りあえるほどに

武満徹さんの本。

30代、右も左も分からないまま勢いだけでチーフの仕事を引き受けて
外では虚勢を張っているけれど、うちに帰るとこの本を貪るように読んでいたな(笑)

でも、武満さんの文書にはいつもそっと背中を押されたり慰められたりしていた。

武満さんはプロの文章書きではないけれど、多くの文章を残されている。
その一つ一つが短い中でも凝縮されたメッセージを内包していて、今もご存命だったら物凄いブロガーになられていたのでは?と思ったりする。

その中の一節から

「私はまず音を構築するという観念を捨てたい。私たちの生きている世界には沈黙と無限の音がある。私は自分の手でその音を刻んで苦しい一つの音を得たいと思う。そして、それは沈黙と測りあえるほどに強いものでなければならない。」

そんな音はやっぱり心して録らないといけないのだ。

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