蓄音器の音・・・
これは侮れない。
数年前、尊敬するスピーカー・ビルダーであるRey Audioの木下さんの工房にスピーカーを作ってもらうお願いをしに行った時に
木下さんが一番熱中されていたのは SP盤の再生だった!
いわゆる蓄音器で、再生用の針まで自作されるという拘り様だった。
それはそれで、本当に音楽的なサウンドであっという間に音楽の世界に引き込まれていったことを今でも思い出す。
ハイレゾの楽しみ方ってなんだろうと考える時に、このあたりのことって大きなヒントになるのではないかと思う。
規格が新しい=音が良い
と思いがちなのだが、それを基準にすると難しくって判りにくいと思う。
だって、すでにCDなんて音のいい規格として登場しているわけだから、ただ音質だけを比較して議論するとすると、プロでも破綻してしまうかもしれない。
ただ、ここ1週間ハイレゾの音源しか聞いていなかった自分が久しぶりにCDを聞いてみた時に
明らかに足りないものを感じた。
耳年齢を計測するとCDの帯域の上限までも聞こえていない自分がとても違和感を感じてしまう。
それは何か??
ハイレゾの向かう方向はより感覚に近いもので、CDとレコードを比較した時にプリプチしたノイズがないとか、右と左の分離感が良いとか、そういう問題ではない様だ。
何となく生活の中に入ってきて、気が付いたら感覚の中で何かが変わっている。
でも、それは後戻り出来ないくらいとても大切なもの・・・・
そんなメディアなのかもしれない。
でもそれは確かにそうなのだ。
ブルース・リーじゃないけど
Don’t think.
Feel
だな。
でも、そこが芸術の目指すところかもしれない。
方法に囚われていては全てを見失う・・・
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