ハイレゾ録音研究所主催のレコーディング、第2回を相模湖交流センターで行いました。
前回はスタジオでのレコーディングでしたが、今回はホールです。
冬の少しひんやりとした、静かなホールにSho君のギターが漂うように、周りの空気に溶け込んでいくように響いていきます。
全13曲のギター・ソロを3時間余りで録り終えましたが、とても充実したセッションになりました。
この音源は春先までには皆様にお聞きいただけると思います。
少し技術的な話を・・・・
今回の技術的なアプローチは2点
- 384KHz 32bitでの録音
- ハイレゾでのバイノーラル・レコーディングの可能性を探る
です。
384KHz 32bitでのホール録音は初めてでしたが、改めてデジタルの前段のアナログ機材の選定、メンテナンス、セッティングの重要性を感じました。マイクの種類の違いにしても、ケーブルの選択にしても、それらのセッティングにしてもこれまでの何倍も違いが繊細にわかります。
そして何よりも驚いたのは、セッティングが上手く行った時に聞こえてくるのは”豊か”という意外に表現の方法がないサウンドです。
これまで克明に記録されることがなかったギタリストのタッチやホールの響きの繊細さは、リスナーをミュージシャンの気持ちに”グッと”近づけます。
〜心を伝える音〜
とタイトルに書きましたが、これまでのレコーディングが、それらの繊細な要素をリスナーにイメージさせる素材を提供するための作業だったとしたら、もっともっと具体的なサウンドをリスナーの皆さんにお届けできる時代が近づいてきているようです。
ハイレゾを謳いながらこれまでと変わらない制作手法をとっていて、繊細さには興味のない作品も数多くありますが、ハイレゾに特化した制作手法で作られたこのようなソフトもぜひ一度聞いてみてください。
2点目のダミーヘッドは、自分自身、ハイレゾのリスニング環境について思うところがあって取り入れてみました。
つまり、ヘッドホンでハイレゾを楽しむ環境が急速に整いつつあることと、実際にそのような形でのリスナーが増えているという点です。
これまでの音楽制作はラジカセやテレビのスピーカーをターゲットに考えてきた部分は確かにありましたが、これからはヘッドホンのユーザーのこともこれまで以上に考慮する必要があるようです。
そこで今回はたまたまギター・ソロということもあり、
1. ダミー・ヘッド・マイクで収録した演奏
2. 通常の方法で録音した演奏をヘッドホンリスニング用にプロセッシングしたもの
二つを聞き比べてみたいを思いました。
目下の課題は384KHz 32bitの素材をプロセッシングできるか?
という点にありますが、作業の経過は時々ご報告できればと思っています。