このページのいろいろなところで述べていますが、ここ20年のオーディオの動向は利便性、価格と引き換えにハード、ソフト共に”質”を犠牲にしてきた時代と言えると思います。オーディオ製品も一頃から比べると非常に安価に手に入るようになりましたが、「きちんと音楽を楽しめない」製品も増えていることは確かです。
ハイレゾという規格が普及しつつある今、どのような再生環境を整えるかということは非常に大切な条件になってきます。
ハイレゾというメディアは一言で言えば、これまでよりも繊細な音楽表現を可能にするメディアです。その繊細さをきちんと伝えられるグレードのもを選ぶことが大切です。
ちなみに弊社がこれまで現場での作業用に採用してきたヘッドホンは
AKG q-701
というモデルです。
このヘッドフォンを選んだのはかれこれ5年以上前になりますが、その時のことは今でもよく覚えています。
弊社で制作したCDを携えて秋葉原のヘッドフォン売り場を何件か回ってこのヘッドホンに出会いました。
オーディオ機器というものは再生される音に対して良くも悪くもなんらかの色付けを行っているものがほとんどです。
それを否定することはできませんが、その色付けによってよく聞こえるソフトもあれば悪く聞こえるソフトも出てくる。
もう一つの方向としては、ソフトが内包している情報量をできるだけ掘り起こそうとしている製品(解像度という表現も使われます)の方が音楽を深く楽しめるような気がしています。
も後者のタイプで、他のどんなヘッドフォンでも聞こえない「音楽の表情」が聞こえてきたのにはとても驚きました。
色付けなく音楽の持つニュアンスを音の消え際まで繊細に表現してくれます。
録音現場でのチェックにもこのヘッドフォンを使用していますが、ミュージシャンの皆様からも大変好評をいただいています。
難点といえば効率がとても悪いので他のヘッドホンに比べると音量が小さいところでしょうか。
ということで、
ヘッドホン選びの一つの基準としては低音、高音・・・という音質を売りにしている物にはあまり手を出さない方が良いようで情報量、解像度というキーワードで検索を行うとそれなりの品質を持った製品が出てくるようです。
イヤホンの場合はそれに加えて遮音性を重視した方が良いと思います。
売り場でイヤホンを耳に当ててみたら、音楽を再生しないで周りの音がどれだけ聞こえなるかチェックしてみましょう。
遮音性が高いほど小さな音量まで聞き取れるので、無駄に音量を上げることなく音楽を楽しめます。
また、世の中にはノイズキャンセリング・イヤホン、ヘッドホンという物もあります。
プロセッサーによって外来ノイズを人工的にキャンセルする物で高い遮音性を確保できますが、
これらの機種はプロセッサーが持つ固有のノイズが問題になることが多いです。
やはりイヤホンを耳にしてみたら音楽を再生せずに音を聞いてみてください。
「サーッ」という音が聞こえることが多いはずです。
これはプロセッサーが発している固有のノイズです。
このノイズが音楽の立体感や繊細さを損なう原因になりますので、このノイズがあまり気にならない物を選ぶことも大切な条件だと思います。
●はじめてのハイレゾ ~ ハイレゾ教室
●ハイレゾの楽しみ方#1 ~ ヘッドホン、イヤホンを選んでみる
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