下らない事で悩んでいたら電話が鳴った。
僕の先輩が亡くなった。
62才だった。
納得の行かないミックスをして落ち込んでいる僕の録音を一緒に聞いてくれて、
”楽しんでやれば良いんだよ”
と肩を叩いてくれた。
Kさんの指先でコントロールされた音は、しなやかで美しい。
波の様にうねる音楽が鮮やかな色彩と共に聞く人を飲み込んで来る様だった。
最近、人が亡くなる度に悲しいのは何故だろう??
と考える。
その人にもう、会えなくなるから?
その人のこれから先の道行きを思うから?
いずれにしても、僕も同じ所に行くんだなぁ・・・
と思う。
その時には、また会いましょうと・・・
”楽しんでやれば良いんだよ”
って、簡単に聞こえるけれど、実は凄く重い言葉だと思う。
その裏にはプロとしての確実な仕事があっての話なのだ。
ベストを尽くして、楽しめるところまで行きなさい。
Kさんはそう言いたかったんだと思う。
Kさんの事を思い出しながら空を見ていたら
”楽しんでやれば良いんだよ”
と声が聞こえてくる
悩んでいないで前に進めと声を掛けられた様な気がした。
Kさん、有り難うございました。
僕もがんばります。
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