音に、音楽に未成熟な国

最近始まろうとしているプロジェクトがあって、音や音楽についてぼんやりと考えていることを書いてみたいと思う。

日本の音楽には空気の音がない。
少し専門的に言うと、空気の中で豊かに響く倍音を聞くという感覚が送り出す側にも受け取る側にも欠如している。

朝の子供番組のサウンドを聴いているとそのチープさに辟易してしまうことが多い。
こんな「貧相で潰れたサウンド」を毎朝聞かされる子供たちの精神構造はどうなってしまうのか?
この、「貧相でありながら潰れたサウンド」って、とにかく”耳につくように””チャンネルを止めてもらえるよに”という意図のもとに作られたサウンドであって、子供たちの情操まで考えた結果では決してない。
何かで読んだことがあるけれど、最近「キレやすい子供」が増えているのは圧迫された音で音楽を聴き続けていることが原因なのかもしれないという記事があった。

本当にそうだと思う。

大人たちのお金にまつわる諸々の結果が子供達に押し付けられているだけで、その結果はおぞましいものになるかもしれない。
欲望のカスと僕は言っているけれど、コンビニのおにぎりを毎日食わされている状況が実は音楽の中でも起こっている。

もう一つはニュースのBGM。
もう、これについては製作側の知性の無さに呆れるしかない。
番組のBGMって、コメントでは述べることができない意図を誘導するために付けられる側面がある。

例えば殺人事件
おどろおどろしいBGMがつけられると、ただ悲惨な事件があったという印象しか視聴者に残らなくなる。
BGMは色々な側面がある一つの事件の一つの側面だけを強調してしっまって、その背後で考えることができる色々な事柄を隠してしまう。

BGMがついた途端にその背後にある色々なことを考えなければならない思考能力が奪い去られて、事件そのものがオカルトのようなドラマみたいになってしまう。

バカな制作者たちがそんなことをしているからテレビはバカが作るバカ製造機になってしまう。

アメリカ、ヨーロッパではニュース番組のBGMを禁じている国が多いことくらい知っている人がニュースのプロデューサーになって欲しいものだ。

音って、もっと大事に扱えばみんなが幸せになれはずなのに。

 

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