録音の手法につて、突然問い合わせのメールを頂いた。
とりあえず返事を書いてみたら、今の自分の考えを有る部分でまとめていた様なのでこのブログにも載せてみる事にしました。
○○△×様
お便り有り難うございました。
回答になるかどうか判りませんが・・・
マルチマイクに於いてもワンポイントに於いても同一空間の演奏を破綻無く録るためには、生音でのアンサンブルがきちんと取れている事が大切だと思います。
アンサンブル上の破綻を技術でカバーするところに音質的な破綻が生じます。
この場合、大切なのはモニターを使用しないで、生音で音楽家同士がコミュニケート出来ているという点です。
これが成立していればどんなにメンバー同士が近づいても録音は成立します。
演奏用のモニターシステムの功罪は、聞きたい楽器が本当はどの様な音量、タッチで弾いているかと言う事に対して不感にさせる所にあります。モニターを通して音量やタッチに対する各々の誤解が発生すると、それはアンサンブル、録音の破綻へと繋がります。
もう一つは、マイクに被る音が綺麗な場所、機材を選択する事が大切です。
綺麗なカブリはアンビエンスとして利用出来ます。また、真空管のマイクは背面の特性が良いためにカブリの音質が綺麗です。
このあたりを上手にコントロールしているのがAl shmitというエンジニアです。
カブリの綺麗な小屋というのもなかなかありませんが、私の経験ですと五反田ゆうぽーと、新宿厚生年金会館などはマイクに入ってくる他の楽器の音がとても綺麗です。
録音の手法についてですが、既にご存知の様に、録音の為に演奏にダメージが出ない様にする事が基本だと思います。
良いサウンドを録ると言う事の一番の目的は、演奏者を安心させ、録音という非日常の場で演奏者を高揚させる事だと考えています。
録音は取捨選択の世界だと思っています。
目的のためにその瞬間瞬間でプライオリティの高い物を正しく選択してゆけば必ず望んだ物が入ったミックスは作れると思います。
技術に振り回されない事、周囲の意見を正しく整理できること。
が大切だと思います。
それでも、エンジニアリングが音楽を上回る事はなく、情熱を持って演奏された音楽で有ればラジカセで録音しても十分楽しめると思います。
○○△×様のご活躍をお祈りしています。
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