サンプリング・リバーブ 〜響き(リアリティ)の再現〜

8月に収録したコンサートの音源のトラック・ダウン(沢山の音源を2chにまとめる作業)を行っています。
今回の作業では新たなトライを一つ行っています。
サンプリング・リバーブの活用です。

これまでは会場の響きは場内に設置したノイズ・マイクで収録してミックスしていましたが、今回は会場がどのように響くかというデータをPCに取り込んで、それを再現するという作業です。
ノイズ・マイクを使った方法では、ホールでの音楽の響き方が場内での音響を担当するPAさんの作るバランスや音色に左右されてしまって、必ずしもこちらの意図したものにはならないという問題がありました。

今回、このデータを使って作業をしてみて色々な発見があります。
一言で言うと今まで聞いたことのない音が出来上がりつつあります。
ライブ会場で発せられる音は常にオンラインであるために、色々な部分で破綻しています。
それを受け取って拡声してノイズマイクで拾った音もやはり破綻した要素を多分に含んでいます。

これまではその破綻した部分をかなりの力技でねじ伏せていたため、やはりミックスにおいても破綻した部分が残ってしまいますが(そこがライブ音源の魅力だったりもしますが・・・)、響きに関しては場内のデータを使って細やかに再現できるので、非常に落ち着いたサウンドのミックスを作ることができます。

この手法を使うためには、会場で5分程度の無音の時間を作る必要があり、舞台、照明、音響はじめ色々な方々の協力が必要になりますが、今回は皆様のご協力のおかげで素晴らしいデータを得ることができました。

これまでは機材メーカーが作り出したプログラムからイメージに合うものを選んで作業をしていましたが、
この様なプログラムの登場によってよりリアリティのあるライブ録音をリスナーの皆さんにお届けできる様になりました。

音月末の締め切りまで作業が続きますが、仕上がりが楽しみです!

リバーブの詳細はこちらです。
http://www.audioease.com/Pages/Altiverb/sampling.php

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